令和5年3月号 統一地方選挙
我々が政治家を選ぶのに大小さまざまな段階の選挙があり,そのうちの一つに全国で3月から4月にかけて行われる統一地方選挙があります。以前は選挙の日時は全国で個々に行われていましたが,経費の削減,告知のしやすさ,有権者の意識を集中させられるとの利点から,1947年4月全国一斉に始まりました。しかし,年月が経つに従いそれぞれの自治体の理由(首長の不祥事や市町村の合併など)により,今では当初の目論見どおりに実施しているのは20数パーセントにまで減っているそうです。当初の主旨から外れて結局は元の状態に戻りつつあります。なかなか思惑どおりにはならないようです。
宮崎県でも知事選挙は当時の知事不祥事による中途退陣を受けて2006年から12月に行われています。前回は30数%であった投票率が,今回は注目された選挙で56%に達して格段に上昇しました。しかし,年末の選挙は有権者も候補者も寒いうえに忙しい中で大変です。投票率の低い原因の一つかもしれません。投票率を上げるためにも,県民が選挙に行きやすいように再度見直しできないものでしょうか。昨年末の知事選では現職と元職の一騎打ちで全国でも注目されました。厳しい選挙戦の結果,現職の河野知事が再選されました。
県議会議員選挙につきましては,毎年県医師会より県議会議員に多くの要望を挙げており前向きに検討していただいていますので,県医師会の主旨に賛同していただける候補者を県医連から推薦しております。
市町村の選挙につきましては,国民健康保険や介護保険は市町村の裁量に任せられていますし,最終的な地域医療は市町村を単位とした医療圏が担うことになります。昨年交付されました物価高騰に伴う補助金の配分につきましても市町村にもゆだねられています。市町村議会議員は,地元に最も近く知人も多いので,直接対面での要望も受け止めてもらえます。市町村長・議会議員はそれぞれの郡市医師連盟の判断で推薦していただいています。
このように地方自治体選挙では政治が身近にある利点があります。しかし,小規模の選挙では顔が見え過ぎるために選挙のたびに住民が分裂して,地域によっては選挙後にしこりを残す例もあるそうです。
いずれにしましても地域医療と密接に関与するのは地方自治体です。よりよい医療を提供するには医師会と地方自治体との連携は欠かせません。そのためにも地方選挙を重要視し,慎重に投票する必要があります。
令和5年3月号