平成29年09月号 医療と介護

 医療も介護も一生お世話にならずにすめばそれに越したことはありません。しかし長寿社会になれば利用する可能性は増えてきます。
 来年は診療報酬、介護報酬の同時改定です。前回同時改定は双方ともに厳しいものでした。今般の社会情勢からすると次回はさらに厳しくなるものと予想されますし、既に、各方面からそれを示唆するような発言がされています。医療費自然増も実態よりも低く5,000億円に抑えられています。自然増の大部分は薬剤費や高額医療に伴うもので、医療機関の収益になるものではありません。診療報酬は改定の度に僅差の増減について攻防がなされています。他業種に合わせて、職員の待遇改善をしたくとも相応の収入が確保されない中では企業努力にも限界があります。各業種において働き方も見直されつつあり、医療・介護界では人手不足が更に深刻になるでしょう。介護職員の待遇を改善するために、介護職員処遇改善加算が創設されましたが微々たるものです。
 介護事業には様々な業種が参入しており、中にはサービスよりも収益を重視する事業所もある一方で、採算割れして撤退する例も後を絶たないようです。また、介護主体である市町村では給付費が増えすぎて保険料の値上げや介護給付の制限を行っている所もあるようです。このような事態は想定されたはずですが、当初の計画者はどのように考えておられるのでしょうか。医療や介護は他の業種と異なり計画的な施策が必要な分野であり、それにも関わらず、誰でも参加できる形にしたのが間違いではなかったかと思われます。医療では病床制限等の規制がなされています。介護でも統計に基づき方針を見直すべきかもしれません。
 医療と介護は車の両輪にたとえられています。これは一見解り易い説明のようですが、そもそも両者は一体で、切り離すことはできないと私は考えています。諸氏は如何にお考えでしょうか? 最近になり地域包括ケアでも見られるように分離を見直して再合体も検討されているようです。 医療と介護を地域全体で助け合い、支え合おうとの理念は疑いなく正しいと思います。しかし鳴り物入りで登場した感のある介護保険も、最近は様々な観点から見直されつつあります。介護サービスの多様化・増加に伴う介護報酬の過負担、介護従事者(特に夜勤)人材不足等があります。人材不足を補うために海外からの働き手の養成を試みたり、高年職員の再雇用も増やしたりしています。介護に限らず医療人材の確保困難は、今後の人口減少に伴い、ますます拍車がかかるものと思われます。更なる対策が必要です。
 人生の終末期?と言えども必要な医療・介護は提供されるべきです。しかし、費用対効果の面からはある程度制限せざるを得ないのではないかとの意見もあります。人道的立場からは禁句であっても、社会情勢から見れば提供限度についても再検討する必要はあるかもしれません。
 様々な問題を解決して、将来も現在のシステムを維持していただきたいものです。医療と介護の充実は老後の拠り所なのです。

(平成29年8月22日)