平成29年10月号 研修医・医師確保について

 このテーマは重要な問題であり何度でも取り上げます。
 ここ数年の宮崎県における研修医は増加傾向にあります。レジナビフェア(全国規模の病院合同説明会)出展や招致運動を展開した結果であると思われます。しかし、人口当たりの研修医残留率は全国でもまだまだ低い方です。県内医師の年齢分布は20代・30代が少なく平均年齢は50代で、10年後には更に高齢化して宮崎の医療は厳しくなる恐れがあります。研修医数増加と言っても60名弱であり満足できるものではありません。県内医師不足を打破するには毎年80名以上の新医師確保が必要です。宮崎大学と他大学まで含めると、毎年、宮崎県出身者が約100名医学部に入学していますので、80名は決して荒唐無稽な数字ではありません。研修医が大都市に集中する傾向は今でも同じですが、地方でも様々な手段を講じて多数の研修医を確保している県もあります。宮崎県でも奨学金制度を設けたり、県の魅力(観光、サーフィン、食、スポーツランド、歴史等)を発信したりと努力をしています。高校生、場合によっては中学生時代から将来、宮崎県の医療に携わる医師を涵養するのも良いかもしれません。既にオープンキャンパスや出張講座等を実施している地域もあります。
 医学生へのアプローチも行っています。例えば、2年前から宮崎大学医学部の5年生を対象とした懇談会を開催しています。大学の各診療科、研修病院、医師会、県の関係者が一堂に会して学生に対する様々な助言や懇談を行います。9割近い5年生が参加して大変好評です。卒後臨床研修センター小松教授の講演、河野知事、池ノ上学長の講話があり、県医師会からも激励の挨拶をしました。大学先輩の荒木常任理事、糸数理事も宮崎県の女性医師支援の取組みを紹介しエールを送りました。最近は医学生の約4割が女性であり、大いに参考になったようです。
 地方に医師を増やすには単に医学部の定員を増やせば解決する問題ではありません。医師不足が問題視され始めた当時から医学部定員は大幅に増えたにもかかわらず、解消されていません。その点からすれば、成績のみによる入試制度も一考を要するのではないでしょうか。地域枠以外に診療科枠を設けるなど、早期から不足した科の医師確保を目指すべきかもしれません。また、来年からの専門医制度により、今迄努力し獲得した研修医数が再度減少するのではないかとの懸念も払拭できません。いずれにしても思い切った施策を講じないと、医療崩壊から社会そのものが崩壊してしまうことになりかねません。様々な意見はあっても地域医療に関しては皆が同じ方向を向く必要があります。

(平成29年9月26日)