おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

  平成16年11月27日放送

子どもをタバコの害から守ろう

宮崎県小児科医会 野田 隆

タバコの害は大きく分けて2つです。タバコの主流煙を吸い込む能動喫煙による害、他人の吸っているタバコから出る副流煙や吸った人が吐き出す呼出煙を吸い込む受動喫煙の害です。目に見える煙を避ければいいと誤解されている方が多いのですが、目に見える粒子部分は10%で、目に見えないガスの部分がタバコの煙の90%を占めています。タバコ1本吸うだけでドラム缶50本分の空気を汚しています。

タバコにはニコチン・タール・一酸化炭素という3大有害物質のほか、40種の発癌物質、200種の有害物質を含んでいるそうです。副流煙だと吸い込みませんから、酸素の供給が少なくより低温で燃えますので、一酸化炭素などの有害物質の濃度はむしろ主流煙より高くなります。

人の一生のどの時期でも受動喫煙による害を受けます。胎児期の受動喫煙で、ADHD(注意欠陥多動性障害)になるという報告も出ています。乳児期以降では、乳児突然死症候群からはじまり、中耳炎になりやすかったり、風邪をひきやすかったり、喘息の発作回数が増え、発作の程度が重くなります。また目に見える害として、喫煙家庭の子どもたちの歯肉が黒く着色していることがあります。

子どもの6割から8割は家庭で受動喫煙の害を受けていて、90%以上父親の喫煙によるものです。

タバコを吸う場所によって子どもがどれだけニコチンを体に入れているか調べた研究があります。非喫煙者の子どもを1とすると、ドアを閉めて屋外で吸うのは受動喫煙対策として有効であるとされましたが、2倍と高い数値でした。

子どもを受動喫煙の害から守る決め手は、家族とくにお父さんの禁煙です。

喫煙の世代間連鎖という現象があります。親が吸うと子どもは喫煙者になりやすいということです。子どもがまだ小さいうちに禁煙することをお勧めします。かかりつけのお医者さんか、子どもを連れて行った先の小児科医にご相談ください。

禁煙は家族に贈る愛のプレゼントです。