おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第11回 3月15日放送分
はしかと予防接種
 
宮崎県医師会  理事 浜田恵亮

 

 今、流行の兆しがあるはしか(麻疹)についてお話しましょう。

 はしかは、はしかウイルスが口や鼻から飛び散って感染しますが、これは飛沫感染と言います。1〜3歳のときにかかることが多いのですが、生後6か月頃から母親からもらった免疫(抗体)がなくなって、はしかにかかるようになるからです。母親がはしかにかかっていなければ、それ以下の赤ちゃんでもはしかにかかります。伝染力は非常に強く、発疹が出る3日位前のかぜ症状のときから発疹が出た5日後位まで他の人にうつります。

 はしかの始まりは、高熱とかぜ症状です。かぜ症状が続いた後に高熱とともに、発疹が顔あたりから出はじめて全身にひろがります。高熱は、4〜5日続いた後に下がり、発疹は赤色から茶色に変化して、しばらく残ります。 はしかは合併症が怖い!。はしかにかかると中耳炎、気管支炎、肺炎、脳炎などを約30%の子どもたちが合併して死にいたることもまれではありません。はしかによる死亡率は、0.2〜0.3%と言われ、今の日本でも、合併症のために少なくとも30〜40人の幼い命が失われています。

 はしかは、天然痘やポリオのように予防接種で発病を予防して制圧できる病気です。はしかの流行を許している背景にははしかワクチンの接種率の低さがあります。宮崎県では、はしかの予防接種を強力に推進するために「みやざき はしかゼロ作戦(プロジェクトM)」が始動しています。はしかの予防接種は、県下の医療機関で、いつでも受けられ、しかも90か月(7歳半未満)までは無料です。勿論、はしかにかかっていないか、予防接種を受けていない大人にも有料で接種できます。

 お母さん方には、お子さんが1歳のお誕生日を迎えたら直ちにはしかの予防接種を受けられるよう心がけていただきたいのです。「はしかワクチンを1歳のお誕生日のプレゼントにしましょう」