おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

  平成17年4月30日放送

あなたの健康大丈夫?
       

         宮崎県内科医会  尾上 耕治

 健康診断にて何らかの異常を指摘される人の割合は年々増加し、平成15年度人間ドック全国集計によれば、86.7%もあります。私どもの施設も、ほぼ同様です。

 次に異常の多い順に挙げますと、(1)高脂血症(36.8%)、(2)肝機能異常(24.7%)、(3)肥満(20.3%)、(4)泌尿器疾患(14.5%)、(5)高血圧(14.0%)、(6)糖尿病(11.8%)、(7)胆石や胆嚢ポリープ(11.7%)、(8)食道・胃・十二指腸潰瘍(10.9%)、(9)血液疾患(9.6%)、(10)高尿酸血症(8.8%)、(11)心電図異常(7.8%)などです。

また、これらのうち高脂血症、肥満、高血圧、糖尿病の4つをあわせて死の四重奏とも言われており、特に注意が必要なものです。

 これらの人はいますぐ治療や精密検査が必要な人よりもむしろ、偏った食事や運動不足、喫煙、飲酒など自分自身の生活習慣を見直すことで予防できる人がほとんどです。また、自覚症状がありません。健康診断によって初めて異常に気づくことが多いようです。ここに健康診断の意義があります。自覚症状に表れないことが多い生活習慣病のチェックに年に1回健康診断を受けましょう。

 最後にがん検診についてふれますが、がん検診は、効果はあるけども限界もあります。たとえば、バリウムによる胃がん検診を受けますと、受けない人に比べて胃がんで死亡する危険性は確かに減少します。効果はあるということです。しかし、バリウム検査にてわからない癌が1〜4割ぐらい存在すると言われています。限界もあるということです。また学会などの報告では、健診で見つかった癌の方の8〜9割は助かっているそうです。かなり効果があるということです。しかし逆の言い方をすれば、検診を受けても見つかった癌の1〜2割は助からない人が存在するということです。がん検診はあるけども限界もあるということを了承した上で、年1回検診を受けて下さい。