おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第14回 4月5日放送分
骨粗鬆症について
 
宮崎県医師会 理事 小牧一麿

 

 骨粗鬆症とは骨の量が減って骨がもろくなり、骨折しやすくなる全身的疾患と定義されています。この病気は閉経期以後の女性に圧倒的に多く見られます。

65歳以上の女性では半数近くが骨粗鬆症にかかっているといわれています。骨粗鬆症が進むと背中や腰の痛みも現れて、変形して脊椎が曲がったり、身長が2〜3cm低くなることもあります。また転んで大腿骨頚部骨折(股関節部)や脊椎の圧迫骨折などをおこすこともあります。さらには、骨折のため寝たきりの原因となることもあります。高齢社会を元気で過ごすためには骨粗鬆症を予防することが大切です。

 骨粗鬆症の診断には(胸)腰椎のX線写真による骨萎縮度の判定と圧迫骨折の有無及び骨量の測定などにより、正常、骨量減少、骨粗鬆症と判別します。骨粗鬆症は症状が現れにくいため、進行の度合いを推測しにくい病気ですので、骨量を測定して自分の骨の量を知って、骨粗鬆症を予防することが重要です。現在では各医療機関、保健所や健康保険センター等で簡単に骨量を測定できます。女性の場合は閉経後は1年に1回ずつ、骨量を測定して、自分の骨の量を知っておくことが大切だと思います。

 予防および治療の目標は骨折を予防することです。30分位の散歩などの軽い無理の無い範囲での運動は骨量維持に有効といわれています。カルシウムを多く含む牛乳、乳製品、豆腐、納豆、小松菜、海産物などをすすんでとるようにして、1日当たり600〜800mgのカルシウムを摂取することも重要です。日常生活では住まいの段差などを無くして、また、すべりにくい靴や杖などを使用することにより転倒を予防することも大切です。X線検査や骨量測定により、骨粗鬆症と判定された人は病医院において、説明を聞いた上で、薬物治療を行うことになります。