一般の人を対象に行われている"健診(健康診断)"とは、健康状態を把握し生活習慣病などの発見につとめ、その予防策を講ずるなどの第1次予防を目的としたものであります。いわゆる職場における健診、老人保健法による健診などがこれにあたります。これに対し発音が同じである"検診"とは、対象疾患を限定して検査をすることで早期発見に努め、更に早期治療につなげようとする第2次予防を目的にしております。例えば胃癌検診、結核検診、子宮癌検診などがあります。
具体的にいいますと、"健診"とは高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣に基づくと思われる疾患などを発見するのが目的になります。ところがこれらのことが一般の方々にはややもすると混乱を招いているふしが見られます。実際健診を受けた方々の中には、健診結果に異常がなかったことだけで癌疾患などもないものと誤解されている方がおられますので注意してください。
健診を受けた際最も大事なことは、健診結果に対し、事後の処置をきちんとすることにあります。すなわち異常があった場合その後の対処の仕方についての指導区分がありますのでそれらの指示に従うことです。すなわち
[要経過観察]
急ぐことはありませんが、指示ある期間に再検査を受ける必要があります。
[要再検]
異常が疑われるので再検査を早めに受けることが必要です。
[要精査]
再検査もしくは専門の医療機関で精密検査を受けるべきです。
[要治療]
治療を早く始めるべきで、医療機関を受診して下さい。
ところで、健診結果の各項目にはそれぞれ基準値があり正常・異常の判定がしてあります。項目の一つに異常がみられただけで即病気だと勘違いなさらないで下さい。結果は総合的に見て判断するものなのです。また困ったことに、受診結果をもらいながらその後放置する方や異常を指摘されていても随分遅れて医療機関を訪れる方を見受けますが、せっかくの健診を受けた意味がなくなります。
最後に健診が全く問題なかったとしても、身体に何らかの異常があればやはり医師と早めに相談することをお勧めします。