- 1)どんな病気か
- a)症状:
- (1)パニック発作:胸がドキドキする(心悸亢進)、息ができない(呼吸困難)、めまい、ふらつき、死の恐怖などの症状が突然起き、多くは10分以内、長くても1時間程度でおさまります。(上記以外の発汗、吐き気、現実感消失等の症状もあるが比較的少数)
さらに次の特徴があります。
- ・何の前触れもなく(思いがけないことに遭遇したわけではない)
- ・繰り返し起こる
- ・医学的検査で異常が見つからない
(2)パニック発作が反復することで生じる症状
- ・予期不安:再びパニック発作が起こるのではないかと不安になり落ち着かない
- ・心気状態:心筋梗塞等の重大な疾患があるのに未発見の状態ではないかと心配し、時には病院巡り(ドクターショッピング)があります
- ・外出恐怖:発作が起きた時に逃げられなかったりすぐに医療機関に行けない場所や状況を避けがちです。(一人きりになること、飛行機や新幹線、高速道路のようなすぐに降りられない場所、人ごみや理髪店、エレベーターなど)
-
- b)頻度:
- (1)生涯有病率(ある調査時点でその障害を有しているか過去に罹患した既往がある人の比率):100人に1〜3人
- (2)年齢:会社での仕事や育児に励んでいる(ストレスを抱え込みやすい)年齢層に多い
2)原因は何か
まだ分かっていないことも多いのですが以下のように考えられています。
- (1)脳の機能的変化:脳の神経伝達系に機能異常がある(体質)
- (2)心理的側面:このような体質に加え過労や心理的ストレスが加わって発症する
3)治療法
- (1)薬物療法
- ・抗うつ薬:従来からの三環系抗うつ薬の他に最近ではSSRIと呼ばれる新型の抗うつ薬が比較的副作用の少ないために好んで用いられるようになっています
- ・抗不安薬:不安を抑制する薬
-
- (2)精神療法
- パニック発作には薬物療法がとても有効ですが、外出恐怖に関しては苦手な状況や場所に順次慣れていただく練習が必要で主治医と相談しながら治療をします。
4)療養生活上の工夫
以下の状況で増悪することがあるので避けるのが望ましいでしょう
- ・過大なストレス、過労
- ・睡眠不足
- ・カフェイン
5)どこへ相談に行ったらよいか
精神科、心療内科を標榜する病院、診療所(クリニック)
|