- <子宮筋腫って?その症状は?>
- 子宮筋腫は女性の4人に1人が有していると言われますが,大半は良性腫瘍のために経過観察で問題ありません。しかし,閉経までは子宮筋腫が増大する場合もあり,また,子宮筋腫による症状(強い生理痛,輸血が必要なくらいの貧血,子宮筋腫による腹部圧迫症状)で困っている方もおられます。
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- <治療法は?>
- 症状が軽い場合には,鎮痛剤の使用や輸血などの対症療法がなされます。しかし,症状が強い場合には,ホルモン療法や子宮筋腫摘出や,子宮摘出が行われます。その他,最近海外で積極的に施行されるようになった治療法に子宮動脈塞栓術があります。
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- <子宮動脈塞栓術って?>
- カテーテルと呼ばれる細い管を子宮動脈まで進め,塞栓物質を子宮動脈に注入して子宮動脈の血流を止める方法です。子宮筋腫は大量の血流を必要とする腫瘍なので,その血流を絶つことで腫瘍を縮小させようとするものです。なお,正常子宮組織は子宮動脈以外からの血流だけでも十分生きていけるため,正常子宮組織が障害を受けることはほとんどありません。また,筋腫が残存しても,良性腫瘍なので生命にかかわることはなく,また,閉経が訪れれば,それ以降は徐々に縮小していく性質があるので,腫瘍全体を無理に死滅させる必要はありません.このようにして筋腫による月経困難症や過多月経の不快な症状を軽減〜消失させるのが,この治療法の目的です。
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- <この治療法の適応は?>
- 以下のものを適応の原則としていますが,状況に応じて判断していきます。
- 1.筋腫による症状があり,対症療法で制御できない。
- 2.子宮癌検査が陰性である。
- 3.妊娠をしていない。
- 4.将来の妊娠・出産を希望しない。
- 5.閉経前である。
- 6.外科的治療を希望しない。
- <入院期間は?>
- 通常,1週間から10日間くらいです。
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- <退院後は?>
- 退院後すぐに入院前と同じ生活が送れます。治療後の1〜2回は,生理不順が起こることがありますが,自然と元に戻ります。
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- <最後に>
- 子宮筋腫といっても,人それぞれに症状も違えば,筋腫の状態も異なります。婦人科的診察や採血,画像所見(MRI)とあわせてもっとも適切な治療法を見つけることが大切です。
宮崎医科大学放射線科 栄 健文/田村正三
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