おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第39回 平成15年9月27日放送 
とびひについて
 
宮崎県皮膚科医会 田尻明彦

 

1.とびひとはどんな病気でしょうか。

  湿疹や虫さされなどが誘引となり、皮膚に水ぶくれやびらん、かさぶたなどを生じる表在性の細菌感染症です。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の感染により発症し、分泌物がほかの場所につくとその場所で広がります。とびひは、火が飛ぶと書きますが、火事の火が数件おいた家に飛んで燃え移るように広がるために、この名前がつけられました。

2.菌の種類によって症状が異なるのでしょうか。

  黄色ブドウ球菌によるとびひは水ぶくれになり、連鎖球菌によるとびひはかさぶたを作りやすいという特徴があります。後者は腎炎をきたすことがありますので、検尿などの検査が必要となります。

3.治療はどうすればよいのでしょうか。

  抗生剤の内服、外用が有効です。入浴などで肌を清潔に保つことも大切です。

4.問題点は何でしょうか。

 1)他の人にうつすことがあります。四肢などの露出している所に病変があればガーゼなどで覆ったほうがよいでしょう。全身に症状が広がれば、保育園や学校は休ませてください。

 2)ブドウ球菌はMRSAといって薬が効かない菌が増えていますが、薬の使いすぎや不適切な使用によるものです。医師の指示に従って、きちんとした治療を受けることが大切です。

 3)年少児ほど重症化しやすいのが特徴です。小さい子供さんは早めに病院を受診することをお勧めします。