おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第55回 平成16年1月17日放送
インフルエンザ、SARSについて
 
宮崎県小児科医会 村一志

 

インフルエンザについて

1. 今シーズンのインフルエンザ発生状況は?

 昨シーズンは、宮崎でも年内には既にインフルエンザが発生していたのですが、今シーズンは散発的な発生はみられてはいるものの本格的な流行はまだみられていません。ただ北海道、東北地方から北関東は既に昨年末に流行が始まっていますので、あと1〜2週で宮崎でも流行し始めるのではないかと思われます。毎年、宮崎での流行は年明けて2〜3週で始まるようです。

2. 予防法は?

 予防接種が一番の予防法なのですが、今シーズンはSARSの影響で例年より多くの方が予防接種を行った関係で、残念ながら予防接種はほとんど無い状態です。

3. では他の予防法は

 まず、流行が始まったら人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。 さらに、空気の乾燥もインフルエンザにかかりやすくなりますので、外出時にはマスクを使用したり、室内では加湿器などを使い適度な湿度(50〜60%)に保つことも大切です。 もちろん、帰宅時の手洗い、うがいはインフルエンザに限らず一般の風邪予防にも有効です。

4. インフルエンザにかかったかなと思ったときには

 インフルエンザが流行する季節はインフルエンザだけでなく扁桃炎や、マイコプラズマ肺炎など様々な感染症がみられますので、インフルエンザを的確に診断することが重要です。日本では数年前からインフルエンザの迅速診断が利用できる様になりました。外来で鼻腔あるいは咽頭のぬぐい液を使い10数分で診断できます。

5. 治療法は?

 早めに治療し体を休めることは自分の体を守るだけでなく、他人にインフルエンザを移さないという意味でも大変重要です。インフルエンザは他の風邪と違い治療薬があります。昨年までは大人の薬をそのまま使っていましたので苦い薬が多かったのですが、今年は小児様としてドライシロップも出ました。ただし、これらは発症後48時間以内に服用しないと効果が少ないとされており、いずれも、医師の処方が必要な薬剤ですので、医療機関を受診して十分相談のうえ、処方をうけてください。

6.インフルエンザはなぜ怖い

 インフルエンザは症状も風邪と比べると重症なのですが、怖いのはその合併症にあります。乳幼児でもっとも恐ろしいのは脳症です。インフルエンザ脳症は毎年全国で100名以上発症し、死亡率も高い合併症です。宮崎県でも毎年数名が脳症を発症しています。脳症の予防にはワクチンは有効なのですが、今年は残念ながらワクチンが不足しました。インフルエンザ発症から脳症出現まで1.4日と短いことも脳症の特徴ですので、インフルエンザ流行時には急な発熱時には早く医療機関を受診し、的確な診断と治療を行うことが大切です。

 

SARSについて

1.インフルエンザウィルスと同様にSARSウィルスも冬に出現するのではないかと危惧されていましたが、ついに中国で今シーズンの発症が確認されました。

2.今後このSARSはどうなるのでしょうか。

 昨シーズンはSARSについて十分な知識が一般、医療側共になかったために混乱しました。今シーズンは対応の方法がわかっているので昨年のような混乱はないと思います。ただ今後世界各地で発生がみられれば日本も厳しい対応を迫られると思います。

3.どの様な場合にSARSを疑えばいいのでしょうか。

 SARSの症状は急な発熱、悪寒、倦怠感、咳等ですのでインフルエンザと初期には区別が付きません。もし海外で発生がみられた場合、その地域から帰国した方で、発熱、咳などの症状がみられた場合はSARSを疑う必要があります。

4.そのような場合どの様にすればいいのでしょうか。

 まず、直接医療機関を受診しないことが大切です。あらかじめSARSの可能性があることを電話で医療機関に説明してください。また保健所にも連絡していただければ受け入れ可能な医療機関、(県立病院、国立病院になると思います)で十分な体制がとれると思います。