おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第61回 平成16年2月28日放送
男性更年期障害
 
宮崎県泌尿器科医会  中山 健

 

 更年期障害は、従来一部の中年期(40〜60歳)の女性におこるものとされていましたが、近年、男性にも同様の障害がおこると考えられるようになりました。

 まず、女性におこる更年期障害の原因ですが、性ホルモンすなわち女性ホルモンの減少、加齢に伴う体力の低下や年齢的に増える家庭、あるいは社会的環境から受けるストレスなどが考えられます。

 以上のことは、男性の場合も女性ホルモンの減少を男性ホルモンの減少とおきかえて考えれば、女性と同様であるということになります。事実、男性にも女性と変らず更年期障害がみられることが近年あきらかになってまいりました。

 最も、男性での性ホルモンの減少は女性での性ホルモンの減少よりその速度がゆっくりなので、男性の更年期障害がおこる年齢のピークは女性より多少遅く、また、障害の原因も女性と違ってホルモン性よりストレス性の方が大です。これは、中年男性が家庭的に、また、特に管理職的な立場になる機会が多くなる為に、社会的に強い心理的ストレスを受けながら日々を過ごしていることにもよります。

症状は、不定愁訴と呼ばれる色々なものがありますが、気力がない、仕事の能率が上がらないなどの精神、心理症状、ほてり感や発汗の異常などの身体症状や性機能の低下などが見られます。

治療は、更年期障害の原因を和らげるということから、男性ホルモン剤、向神経剤や性機能改善剤などの使用が考えられますが、日常のストレスを少なくする工夫も必要です。いずれにしろ、個人差や薬剤の副作用等の問題もありますので、泌尿器科などの専門医に御相談下さい。