おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第65回 平成16年3月27日放送
目と生活習慣病
 
             宮崎県眼科医会  中馬 秀樹

眼と糖尿病,高血圧とは非常に関係がある。

糖尿病では網膜の毛細血管に病的変化が生じ,初期には眼底出血をおこす。この段階では自覚症状はない。進行すると,血管が閉塞し,新生血管が生じる。新生血管は構造的に弱い。破れると出血により視力が極端に低下する。

 糖尿病網膜症の進行防止には適切な血糖コントロールと,定期的な眼底検査が大切である

 網膜症が進行し,新生血管が生えてくる段階で網膜光凝固を施行する。それでも抑えられない場合は手術的に出血や新生血管を取り除く。

 高血圧の場合も初期には眼底出血を生ずる。

また,眼底検査で血管狭小が血管の攣縮でおこっているのか,動脈硬化をおこして厚くなり,狭くなっているのかがわかる。血管の攣縮が主な原因だと分かれば,血管拡張剤が効果的であろう。動脈硬化が主な原因だと分かれば,全身の動脈硬化への対応が必要であろう。このように,眼底検査は内科の先生方の治療方針に大変参考になる。