おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第7回 2月15日放送分
スポーツとメディカルチェック
 
宮崎県医師会 常任理事 河野 雅行

 

 スポーツ活動に伴い、身体の故障や事故が増加してきます。そのような故障・事故の予防の目的でメディカルチェックが重要となっています。

○メディカルチェックの目的

  1.身体の故障や障害の程度を潜在的なものも含めて知ること

  2.その人の潜在能力を知って成績アップに繋げること

  3.故障治療中であればその回復具合を診ること

○具体的な方法として市民スポーツ・イベント参加を例にとると、病歴その他の聞き取りが重要となります。

その際の診察及び検査の内容は

  • 既往歴:循環器系疾患(死亡例の多くは急性心不全)、骨・関節疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患、内分泌・代謝疾患、肝臓疾患、血液疾患・血栓症、その他
  • 最近の身体の状態並びに薬剤の使用:血圧、糖尿病、その他
  • 現症:身体測定を含めた診察
  • 検査:心電図、胸部X線、血液検査(血糖、コレステロール、中性脂肪、尿酸、肝機能、腎機能、電解質、総蛋白、等)

○子どもと大人・高齢者は異なります。

 注意すべき特徴

  • 小児の場合:野球肘、脊椎分離症、オスグット等の成長に伴うものが多い
  • 中高年の場合:骨・関節・筋肉・神経の加齢現症、内科的疾患の有病率が増える

 メディカルチェックを施行してもスポーツ活動中の故障・事故が完全に予防できるわけではありませんので、個々に注意が必要です。