おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第74回  平成16年5月29日放送

うつ病について

宮崎県精神科医 早稲田 芳男

 

 憂うつな気分や自信のない状態,無気力などは誰しも体験します。このような状態が長期間に続き,日常生活や社会生活に支障をきたすようになるとうつ病と診断されます。うつ病には,精神症状として気分の落ち込み、やる気が出ない,ものごとが決められない,眠れないなどがあります。体の変調もあり,全身倦怠,動悸,息切れ,食思不振,頭痛,便秘などです。

 誰しもが自分はうつ病ではないかと思うくらいの一般的な病気ですが,これは気の持ちようで発症するものではなく,脳内伝達物質の機能異常による病気です。うつ病は適切な治療と早期発見により,必ず治る病気です。医師の指示に従って十分な休養と薬による治療をすることです。それにはまず病気であると自覚することが大切ですし,目先のことにまどわされることなく焦らずじっくりと治療して下さい。治療にはある軽度の時間がかかります。