おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

 平成16年7月3日放送
流行性角結膜炎
 
          宮崎県眼科医会 斉藤 真美

流行性角結膜炎(はやり目)って何?

流行性角結膜炎(はやり目)はウイルス性の結膜炎のひとつで、伝染力が強く時に集団発生を起こす伝染性眼疾患です。ウイルス性結膜炎の主なものとして、流行性角結膜炎の他に咽頭結膜熱(プール熱)、急性出血性結膜炎(アポロ病)があります。その中でも流行性角結膜炎は重症で角膜炎も伴っており罹患期間が長いことが特徴です。

原因ウイルスは、アデノウイルス841937型で、潜伏期間が714日間ほどあり、この頃からすでに伝染力を有しています。

  どんな症状が出てくるの?

症状は強い充血、異物感、流涙、眼脂、眼瞼腫脹、耳前リンパ節の腫脹・圧痛などで、はじめは片眼に発症することが多いのですがそのうちもう片方の眼にも発病してくることが殆どです。また、高齢者の場合は若年者と比べて症状が乏しいことが多く、流涙と異物感程度の訴えのみのことがあるので要注意です。

  どうやって診断するの?

診断は臨床症状とウイルス抗原を検出する迅速診断キットを用いて行っていますが、結膜炎の初期や軽症例では偽陰性に出てしまうことがあります。

治療法は?

治療としては、ウイルスに直接作用する薬剤は無いため混合感染を予防する意味で抗生剤の点眼薬と、角膜炎に対してステロイド剤の点眼薬を使用します。完治するのに23週間かかります。

 伝染予防が大切です!