おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

  平成16年7月10日放送

生活習慣病について

宮崎県医師会 志多 武彦

 生活習慣病とは高血圧、糖尿病、高脂血症に加え、高尿酸血症、脂肪肝、肥滞、がん等を含めた総合名称ですが、その発病に遺伝的因子に加えて、生活習慣の関与が大きいことで関心が持たれています。

 以前は成人病と呼ばれていましたが、現在の医学界では、その原因病態の面より、内臓脂肪症候群又はメタボリック症候群として注目を集めています。

 社会的には日本の死亡原因の1位のがん、2位の心疾患、3位の脳血管疾患(脳卒中)を含み、死因の60%を超えていることが重要です。又、わが国の平均寿命は急速に延びており、高齢化と共に、食生活や運動習慣が原因の生活習慣病が増え、その結果、痴呆や寝たきりの人々が増加し社会問題化しています。対策として国は健康を増進し、生活習慣病の発病を予防する「一次予防」を推進すべく「健康日本21」運動を展開しています。

 病気の発生には生活習慣・環境と遺伝因子が関与しています。

前者では

(1)食事因子一動物性脂肪や糖質の過剰摂敢、野菜と食物繊維の不足

(2)運動不足

(3)肥満等

があり、

後者には

(1)インスリン抵抗性の亢進

(2)脂肪細胞異常

があります。

 生活習慣病の予防には以下のことが大切です。

(1)栄養・食生活 ― 野菜1日350g以上、牛乳1日1本

(2)運動 ― 週1回以上の運動、ウオーキング

(3) 休養・心の健康 ― 疲労回復、ストレス解消

(4)タバコ ― 禁煙、分煙

(5)アルコール ― 焼酎6:4で1杯まで。ビール 中1本

(6)歯の健康 ― フッ素で歯みがき

(7)糖尿病予防 ― 食事と運動、適正体重

(8)循環器疾患予防 ― 生活習慣見直し、健康診断

(9)がん予防 ― がん予防の12ケ条、定期検診

健康増進と疾病、介護予防がキ−ワードです。