外科的治療で治るタイプの痴呆 

               金丸 禮三

 正常圧水頭症 以前と違って、最近は痴呆を主訴に病医院を訪れる患者さんが多くなっていますが、 ほとんどは難治性の老人性痴呆とか脳血管性痴呆です。しかし、中には外科的治療で 治るタイプの痴呆--正常圧水頭症--の患者さんも少なからず見られますので、それに ついてご案内致します。 正常圧水頭症は教科書的に『1965年アダムスとハキムにより、初めて報告された神経 症候群で、症候学的には,記銘力障害,精神運動緩慢,不安定歩行,尿失禁などを特 徴とし,脳室拡大はあるが,大脳基底槽やテント切痕を通しての大脳弓隆部くも膜下 腔への髄液の流入は殆どなく,脊髄液圧は正常範囲であるにもかかわらず短絡手術で 諸症状の改善をみる“Symptomatic occult hydrocephalus with“nomal ”cerebrospinal fluid pressure”syndromeである.』とされ、ほとんどはクモ膜下 出血、頭部外傷、髄膜炎などによる続発性正常圧水頭症ですが、中に原因不明の特発 性正常圧水頭症と呼ばれるものがあります。  重要な事はこの病名がつけられるのは、 あくまでも短絡手術により、症状が改善する場合と規定されています。したがって、 このような定義のもとでは、実際に短絡手術をして症状の改善を確認して初めて診断 が確定することになります。その意味で短絡術前の診断が難しいため、平成8年度か ら厚生省では高齢者に発症する正常圧水頭症に焦点を絞り調査研究を開始し、その結 果今年3月、難治性水頭症調査研究班(班長・森惟明高知医大教授)による診断基準 と治療指針が作られました。  詳細は次のHPにわかりやすく記載してあります。

   http://www.kochi-ms.ac.jp/~neurosur/clinical/hydropt.htm