最近のうつ病の話題について

      吉田病院院長 吉田建世  

 

 先日テレビで、「遂に日本でも新しいうつ病の薬が発売された。」との報道があり、私の所にも幾つかの問い合わせがありましたので、そのことに関連し、うつ病について簡単に述べたいと思います。

 現代は不安の時代、うつの時代と言われ、うつ病は最もポピュラーで、かつ増加している病気の1つであります。患者さんやご家族の苦悩に加え、社会生活に与える影響や自殺率の高さ(15%)などを考えると、現在のヘルスケアの大きな課題のひとつであります。特に自殺は大きな問題で、WHOの調査では現在、生活に支障をきたし死亡の原因ともなる疾患の第4位にランクされており、2020年には第2位になると予測されています。日本でも中高年の自殺が男性の平均寿命を低下させたという報道があったばかりです。

 実際には、うつ病の患者さんの多くは、心身の不調を主訴に、まず内科を訪れることが多いようです。そういう点でプライマリーケアにおけるうつ病の診断と治療の重要性が唱えられています。

 WHOが一般診療科用に「プライマリーケアにおける精神疾患の診断と診療指針」を出していますが、その中でうつ病の特徴を、「ゆううつで落ち込んだ気分、悲哀感。興味、喜びの低下。」としており、伴うことが多い症状に、睡眠障害、食欲不振、罪業感、自信のなさ、自殺の考えやそうした行動、疲れやすさ、意欲の低下、性欲の喪失、集中力の低下、動作や会話における焦燥感(イライラ感)または遅滞、不安感や神経過敏を上げています。そのような症状のある方は、うつ病についても考える必要があると思われます。身体症状だけでなく、ストレスなどの精神的な原因が考えられる場合は、その事もドクターに話すとよいと思われます。

 最近発売されたうつ病治療薬(SSRI、ルボックスなど)は、特に副作用が少ないという点では優れていて、はじめて治療される方や再発予防には適してると言われています。実際に軽症から中等症の方などに使って良い効果があります。また、神経質でこだわりの強い人にもいい様です。うつ病においても、遷延化を防ぐ上で、早期に治療を開始することをお勧めします。詳しくはドクターにご相談下さい。