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ホーム > 医療の窓 > 2009年1月号

 甲状腺の病気について

 甲状腺の病気は珍しいと思われがちですが、実際には頻度の高い病気です。また甲状腺の病気も種類がいろいろあり、症状も多彩で、治療法も違ってきます。しかし、いずれの病気もごくまれな場合を除いて甲状腺に腫れを生じてきます。また、甲状腺の病気は成人女性に多いという特徴があります。

 甲状腺は首の前面の下方、のどぼとけの下に蝶が羽を広げたような形をしてありますが、正常では薄くて柔らかいため、触ってもわかりません。甲状腺の働きは、甲状腺ホルモンを作り血液中に分泌します。このホルモンにはからだの新陳代謝を盛んにする作用があり、代謝の調節に重要な働きをしています。また、子供では成長を促す作用もあり、甲状腺はからだにとって大変重要な役目を持っています。

 実際に頻度の高い甲状腺の病気としては、@バセドウ病、A橋本病、B甲状腺の腫瘍の3つがあります。
 @バセドウ病…甲状腺全体が柔らかく腫れ、甲状腺機能亢進症つまり甲状腺ホルモンが高くなる病気の
           代表です。有名な症状に眼球突出がありますが、実際には眼球突出のない患者さんも
           たくさんいます。この病気では新陳代謝が高まりすぎるため、動機・発汗・手の震え・疲労
           感・食べても痩せるなどの症状がみられます。
 A橋 本 病  …別名慢性甲状腺炎とも言い、甲状腺全体が硬く腫れ、この病気の約4割の患者さんに
           甲状腺機能低下症を生じます。代謝が低下するため、皮膚の乾燥・むくみ・無気力・物忘
           れ・便秘などの症状がみられます。
 B甲状腺の腫瘍…甲状腺の一部がしこりとして腫れ、良性と悪性のものがあります。良性の頻度が圧倒的
             に高いですが、悪性の場合は手術を必要とすることがほとんどで、この鑑別は重要です。
             ただ日本人では甲状腺の悪性腫瘍は乳頭癌というタイプが多く、このタイプは手術をすれ
             ば治る確率が高く、からだの癌の中では、たちの良い癌の一つと言えます。

 では、これらの病気を早く見つけるためには、まず首の前面にある甲状腺に腫れがないか気をつけることが重要です。次にホルモンに異常があると多彩な症状を呈しますので、前述した症状のある方(特に成人女性)は、一度診察・検査を受けることをおすすめします。

 甲状腺の病気は、正しく診断・治療をうければ重篤な状態になることはまれです。過剰な心配はせずに、早期発見・治療に努めましょう。

                                                     長倉医院 長倉穂積









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