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ホーム > 医療の窓 > 2009年4月号

人はなぜ老いるの?

  どのような哲学的、宗教的考察を極めようとも、老いと死は、有史以来、人間が厳然と受け止めてきた真実です。近代社会と医学の発達以前には、老いと死は必ずしも関連しませんでした。なぜなら飢餓、貧困、不衛生に伴う感染症や戦争がより大きな社会問題として存在したからです。しかし、近年は感染症(肺結核や肺炎)の克服、高血圧治療による脳出血の減少により若年や中年での疾病死が減少し、老いと死が重要な関連をもつ高齢化社会となってきました。しかし世の中を見渡すと、暦年齢よりも若く生き生きとしている人と年より老けていて病気がちの人がいます。これは老いが必ずしも時間経過のみで決められていないことを意味します。
  老いの変化として、動脈硬化が挙げられます。具体的には脳血管障害(脳梗塞・脳出血)、心筋梗塞、大動脈瘤(解離性動脈瘤)、閉塞性動脈硬化などがあります。いずれも血管が閉塞したり、破綻し出血したりして臓器に十分な血流が循環しなくなり、臓器障害を起こし、時には死に至ります。「人は血管とともに老いる」と言われているのは、心血管障害が老いとともに多くなり、それが死因ともなっているからです。‘なぜ老いがこれらの疾患を引き起こすのか’あるいは‘なぜヒトは老いるのか’という質問に対しては、未だ明確な答えは存在しません。しかし、その一部は最近の研究で明らかにされています。ひとつ紹介しますと、酸化ストレス(活性酸素蓄積)が動脈硬化を確実に促進しているのです。活性酸素とは部分的酸化を受けた酸素から生じる反応性の高い化合物の総称です。これらは、食物に含まれる刺激物で体内で容易に産生されます。2~3年で老化するネズミの研究で明らかになっていることは、餌のカロリーを制限すると寿命が延びて、酸化ストレス(活性酸素蓄積)が軽減します。早く老いる人と、80~90歳まで元気に生きられる人の違いは、酸化ストレスをいかに避けられたかにかかっていると言えるかも知れません。
具体的にはどうすればいいの?

  ①タバコをやめる。(喫煙は危険因子としても最も悪玉です。)
  ②都城地取れの食材を多く食べる。ジャンクフードはできるだけ食べない。
  ③太らない。
  ④運動をする。
  ⑤血圧は正常化させる。(高い人は降圧薬をしっかり服用する。)
  ⑥規則正しい生活をする。(7時間の睡眠を十分とる。)
  ⑦楽しい時笑うこと。悲しい時泣くこと。

 現在行われているメタボ予防のキャンペーンは“アンチエイジングだ”と考えれば、がんばれるかもしれません。

                                             田口循環器科・内科クリニック
                                                  田口 利文  







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