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ホーム > 医療の窓 > 2009年6月号

小児の遺尿症

遺尿症とは尿を漏らすことを言います。また昼間遺尿症と夜尿症に分類されます。
1.昼間遺尿症
 日中の排泄が自立すべき5歳を過ぎても下着に尿を失禁してしまう状態をいいます。膀胱・尿道括約筋の神経機能が低下している可能性があります。治療の開始時期は6~9歳が妥当と言われています。
 2つのタイプがあります。
 一番目は急激な尿意の出現があり、我慢が出来なくなって尿を漏らしてしまうタイプで膀胱の急激な収縮が示唆されます。
 二番目は尿意が小さくて、意識にのぼらないうちにタラタラと尿が漏れるもので、慣れによって衣服がびっしょりになってもわからない例もあります。
 両タイプとも排尿中断訓練や排尿抑制訓練は生活指導として効果的であることは言うまでもありません。
 薬物療法はタイプによって使用する薬が変わります。
2.夜尿症
 夜尿症とは、幼児期の5歳を過ぎても夜間就眠中に週2回以上の遺尿をみる状態と定義されます。夜尿症の原因としては、覚醒機能と睡眠中の蓄尿機能が重要であり、その両者が密接に結びついていることが示唆されています。夜尿症児の場合は、覚醒機能が未熟あるいは異常であると共に、それを補う蓄尿機能にも何らかの未熟性あるいは異常があることが推測され、その治療過程においては、小児の場合、覚醒機能が正常となるよりも蓄尿機能が正常となり、朝までもつようになる場合が多いようです。夜尿症の治療としては、最近では第一選択として夜尿アラームとデスモプレシンのどちらかを選ぶことが世界的に推奨されています。日本では、夜尿症を多量遺尿型、膀胱機能未熟型、混合型と分類し、それに応じて抗利尿ホルモンや抗コリン剤、頻尿・尿失禁治療薬、三環薬抗うつ剤等の薬を処方しています。
 治療にはよく「起こさず、あせらず、しからず」と言われますが、起こすことがいけないという根拠になる研究はまだありません。日本の専門家は起こすことにより夜間の抗利尿ホルモンや成長ホルモンの分泌が妨げられると推察しています。この起こしてはいけないという指導のために、世界的にみて第一選択と考えられている夜尿アラームによる治療が本邦では最近までほとんど行なわれてきませんでした。
 くれぐれも昼間遺尿や夜尿ぐらいでと軽くみないで、親子の悩みをしっかりと受けとめ、適切な診断、生活指導、薬物療法を受けていただければ幸いです。

                                                    山内小児科医院
                                                      山内 良澄









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