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ホーム > 医療の窓 > 2009年9月号

開業医のあるべき姿

 昨今メディアは医療崩壊というテーマをたびたび取り上げ、その要因として医師不足、訴訟リスク等をおもに挙げている。医師不足は医師を疲弊させ医療ミスを誘引し、病院は訴訟を避けるため専門以外の診療拒否、重病患者の救急拒否等どちらも、地域医療の崩壊につながってきている現状がある。しかし実際の現場で私が一番危機感を持つのはモンスターペーシェントの問題である。
 「モンスターペーシェント」とは何か。ネットで検索してみると「言語暴力が中心だが、普通の無茶な要求ではなく、医療過誤で発生した不可抗力な中身に絡み、対応をエスカレートさせ、何時の間にかこの不可抗力な中身を病院の弱味に仕向け、執拗に医療の現場を混乱させる患者及び家族の一群。また言語的ではない、或いは言語化できない、そして行動パターンが読めず身体的暴威・暴力を強く意識させる患者及び家族の一群。」とある。昨年全日本病院協会の調査により全国の病院の半数以上が精神的暴力、身体的暴力、セクハラ等の暴力を受けた事例があると報告があった。また埼玉県春日部市の市立病院では、入院患者の家族の院内での執拗なクレームに耐えかね、市が患者の家族に医療妨害の禁止を求める仮処分を申し立て、埼玉地裁越谷支部は仮処分申請を認める決定をしたという。

 昨年、都城市に開業して20周年を迎えた。この間地域医療の一端を担うべく救急車の受け入れ、最新機器の導入、心臓脈管系に関する更正医療機関指定をうけるなどできるだけの努力をし、地域の皆様に信頼され、満足していただける病院をめざしてきたつもりである。当院は診療科目に循環器内科があるため長く通院される方も多く、患者との信頼関係もある程度は築けていると自負していたが、まさにモンスターペーシェントというような患者、家族がここのところ確実に増えつつあると実感し、それも揺らぎつつある。またマスコミによって医療不信を植え付けられた患者の家族はささいなことで不信感を募らせやすく一度そうなるとどんなに説明をしても信頼を取り戻すのはとてもむずかしいと感じる。
 こういう時代、どうすれば患者や家族に信頼し、満足していただけるのか、また今実際に起こっている数々の問題から病院、スタッフを守るためにはどうすればよいのか。自分の医療に対する信念、患者に対する姿勢を確認し、開業医としてのあるべき姿を模索する日々である。


                                               ベテスダクリニック
                                                院長 釘宮 博志








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