令和5年1月号 年頭所感

 新年,おめでとうございます。

 昨年は社会の混乱により医療機関も多大の影響を受けました。先ずコロナとウクライナ戦争で,さらには近隣諸国との領土や貿易を巡る問題,テロに端を発した宗教がらみの問題等々の難問で今でも混乱が続いています。

 少し振り返ってみますと,昨年6月,日医執行部が中川会長から松本会長に交代されました。医療行政はさまざまな圧力に曝されています。新執行部のご活躍を期待いたします。県医師会も執行部選挙がありました。ベテラン役員が勇退され,若手の優秀な先生方に加わっていただき,業務繁多に応じて常任理事を定数の範囲内で増員しました。

 7月には,参議院選挙があり県医連推薦の比例区で自見先生,選挙区で松下先生が当選されました。今後の活躍が期待されています。また,参議院選挙中に安倍元首相が銃撃され,それに関連して統一教会問題や国葬問題が出てきました。日医の講演「テロから身を護るために」では,元首相が銃撃された際,1発目の銃声で聴衆は音がした方に何事かと駆け寄った人が多かった。これはテロの場合には大変危険である。銃声(と分かれば)がしたら,直ちに身を伏せる,次に逃げ出すか余裕がなければ少しでも身を隠すことが重要であるとの話でした。わが国ではテロがほとんどないので,そのような対応は国民の大多数が未経験です。医療関係者が犠牲となる痛ましい事件もありました。医療機関の安全のために県医師会では県警との協力を密にする協議を行っています。それでも超緊急の際には,先ず自分で身を守ることが最重要です。しかし咄嗟の行動には訓練が必要ではないでしょうか。県医師会では今後も県警との協議を重ねてゆきます。

 秋には強烈な台風により河川の氾濫や土砂崩れによる道路の寸断,断水や停電等の長く続いた地域もあり,死亡者も報告されました。医療機関でも水漏れや停電等で苦労されたようです。毎年ながらも予防対策を上回る自然災害があり,被害の根絶は困難なようです。

 また,物価高騰により医療機関も深刻な影響を受けています。国では補助金制度を設けましたが,給付は各自治体の裁量で異なり総額も充分ではありません。物価に対応して国内企業の85%が従業員の給与を昇給させるそうです。しかし,医療機関は診療報酬の関係で簡単には昇給できません。他職種と比べて差が広がれば医療関係者の確保はますます困難になるでしょう。

 年末には県知事選挙が行われ,現職と元職との一騎打ちとなりました。この稿が皆様に届くころには結果がでていることと思います。県医連は県行政と協調して医療問題に取組む必要があり地域医療に理解の深い現職を推薦しました。本年は統一地方選挙があります,ご協力をお願いいたします。

 今年は,干支のうさぎのごとく明るい未来に向けて飛躍する良い一年となることを切に願うばかりです。皆様のご多幸を祈りまして,新年のあいさつとさせていただきます。本年もよろしくお願 いいたします。

令和5年1月号