平成26年7月

宮崎県医師会長 河野 雅行

                  ご挨拶
             


 この度,稲倉会長の後を受けまして県医師会執行部を任されることになりました。秦執行部で常任理事10年,稲倉執行部で副会長6年余,経験をさせていただきました。
 ご存知の様に医療を取り巻く情勢は非常に厳しく,多くの難問が山積しています。診療報酬改悪に伴う地域医療の崩壊,医師・医療関係者確保問題,TPP問題,我が国の健康長寿国達成に多大な貢献をした皆保険制度の見直しとも取れる混合診療の容認等々です。成長戦略・規制緩和政策で医療・皆保険制度もターゲットにされています。更には消費税や承継に関わる相続税等の諸税を巡る問題も深刻な影を落とし始めています。その他数え上げるのが困難な程様々な多くの問題が挙げられますし,新たな問題も次々に発生しています。
 中でも地域医療の崩壊は由々しき問題です。医師会・医師の存在目的は多々ありますが,最大の目的は「県民の生命と健康を守る」ことです。即ち「地域医療を守る」と言い換えても過言ではなく,「地域医療を守る」とは,患者さん・県民を守るのは勿論ですが,医療提供者をも守らねばならないことも忘れてはなりません。地域医療・福祉の充実は関係者のみの努力では限度があります。県民・社会の皆で創り,皆が幸福な状態になることであると思います。
 これらの様々な問題を解決するには日医,各県医,県内各郡市医師会,県行政,宮崎大学,関連諸団体等との協議や協調も欠かすことは出来ません。更に,行政並びに政治家の力を借りなければ何も動かないことです。しかし、依頼ばかりではなく我々も相応の協力を惜しんではなりません。
 新執行部には旧執行部からのベテラン役員が多く留任されていますし,更に,意欲に満ちた新役員にも多数参加していただきました。やるべきことは余りにも多い状態ですが,基本的には従来の方針を踏まえつつ,伝統ある宮崎県医師会の名を汚さぬように,役員・事務局の総力を挙げて,一つひとつの問題に真摯に向き合いスピードを持って取り組んでまいります。且つ、今迄通りに開かれた県医師会を目指します。皆様方の今後ますますのご協力をお願いいたします。
                                       (平成26年6月25日)

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