平成26年8月

宮崎県医師会長 河野 雅行

           日医との連携-代議員会報告-
             


 6月28日,29日に日医代議員会が開催された。事業報告,決算,予算審議は問題なく了承され,次いで次期執行部の選挙があった。副会長以外の役員は会長以下,立候補者が定数内で挙手により信任,副会長は定数3に対して立候補4で選挙となった。落選したものの新人候補が75/358票を得た。新人候補の主張は,「医療を取り巻く様々な問題が山積している中,今の日医のあり方に危機感を抱いている。日医役員が大県医師会中心のため,地方の小県の意見が通り難い。現在のブロック選挙を見直すべし」というものであった。一方,チーム横倉側は,「医療を取り巻く問題が大きい程,更には,より良い医療を求める日医の政策実現には,強い日医が必要であり,したがって,会長を中心として一致団結するためにキャビネット選挙が望ましい」との主張をした。確かに,選挙で組織のエネルギーを消耗し,頻回の会長交代により組織力の低下は覆うべくもないとの意見もある。双方共,日本医療の危機的現状は充分認識してそれぞれ理念を掲げており,日医に対する強い思いは同じと感じられたが,はたしてどちらに軍配を上げるべきであったか,単に蟷螂の斧と揶揄するにしては75票の意味するところは?皆様方のご判断は?
 横倉会長は所信表明で,日医は,国民の安全・健康に資するか,公的皆保険が守れるか,の2点から国の施策を判断して対応すると語った。更に,日医の基本施策は,医師会を強くする,地域医療に貢献する,医療の将来を忖度する,の3点であると述べた。日医会長の挙げた上記事項は県医でも同様である。しかし,日医・県医が躍起になっても日本の医療は変らない。偏に全会員の意思・参加に掛っており,目標に向かって常に皆で声を挙げ続ける必要がある。
 次いで代表質問8題,個人質問13題が提出された。各質問は,昨今問題の重要事項ばかりで,数年間分を見れば医師会・医療の抱えている問題や日医の進む方向性がほぼ理解できる。例えば今回は消費税,在宅医療,日医生涯教育,医療関連政策と対応,日医活動と広報,医学部教育,新たな財政支援制度,会員認証,学校保健,予防接種,地域産保センター,医療事故調査制度,日医選挙,等々,多岐に渡るもので,それぞれに日医役員が回答した。代議員会は日医の重要な活動の場であり,全質問に対して真摯な回答であったが,定型的な模範解答の印象が強い。
 それでも,以前に比べて日医が開かれた医師会に変貌した感はある。しかし,未だ会員にとって日医は敷居の高い存在であり,様々な場で理解を求める努力を要する。そのため,日医では代議員会を始めとして各種の会内会議の結果を日医ニュース等で積極的に情報を発信している。同様に県医でも知り得た情報は可及的早急に県医FAXニュース,その他で発信している。更に,情報伝達を兼ねて適時,研修会・講習会を開催している。会員諸氏におかれてはそれらの情報を有効に活用していただき,医師会活動への更なるご協力をお願いしたい。
                                       (平成26年7月25日)


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