平成27年3月

宮崎県医師会長 河野 雅行

            医師確保(研修医確保)について
             


 今年度,県内研修予定者のマッチングは55名である。国試の結果では多少変動するかもしれないが過去2番目の多さであり,誠に喜ばしい。大学,県当局,研修病院の地道な努力に敬意を表したい。研修医の確保は,研修修了後の地域医師確保に繋がり易い。そこで,全国で研修医確保に懸命になっている。大都会と一部の県・地域を別にすれば,大部分が研修医確保に苦慮している。しかし,地方でも多くの研修医を集めている県・地域もある。成功している県に問い合わせても残念ながら明確な回答は得られない。
 毎年,全国数か所でレジナビフェア(初期および後期研修の病院説明会)が開催されている。現在研修医の多い県は,レジナビフェアの始まる以前から積極的に勧誘していたようである。宮崎県も県当局,大学,研修病院,県医師会で協議会を作り共同で企画に参加している。昨年,東京と福岡のレジナビ現場を視察したが,我が県のブースは他県に比べて少しおとなし過ぎる印象であった。各県とも工夫を凝らして鎬をしのぎ削っているので,広い会場の中ではアピール不足であるし,何かインパクトのある方法を考えなければならない。しかし主催者の取り決めで無制限に何でもありではない。一定の規制がある。騒がしい音楽やパフォーマンス,しつこい勧誘類似行為にも制限がある。
 県協議会では大都市圏在住の宮崎県出身医師・医学生にも働きかけている。昨年7月の東京開催の会に出席した。首都圏で活躍中の医師・医学生が多数参加し,対話をした多くの医師からは,将来機会があれば郷土のために協力したいとの意思を聞いた。研修医に大きな影響力を持つ首都圏在住の指導的立場の医師も出席し,研修修了後には宮崎県で働くことを勧める,との心強い発言を得られた。
宮崎大学医学部卒業生の半数も県内に残らないのは勿体ない。宮崎大学出身者が多く残れば県内医師不足の解消に確実に繋がる。大学や研修病院の今迄の努力は理解できるが,研修医として一人でも多く残るための魅力づくり,更には,研修修了後の職場・環境づくりの見直しが急がれる。
 県内高校出身で県内外医学部を卒業する新研修医は,宮崎大学も含めて毎年数十名程度と推定されるが,実数は個人情報保護法の関係で把握困難である。しかし,各高校では卒業生の進路は把握されているものと思われる。県協議会では県内高校を通じて医学部進学者や家族に対して卒業後の宮崎での研修,就職をお願いしている。卒業者の多くが帰郷すれば宮崎県の医師不足は緩和される。会員諸氏の子弟や知り合いの県内外在住医学生,医師を御存知の方は是非,宮崎へのUターンを勧めていただきたい。これが,もう一つの確実な医師確保に繋がる。
 その他,医師確保に良案があれば,是非,ご教示願いたい。(平成27年2月18日)
                                      


バックナンバー