平成27年7月

宮崎県医師会長 河野 雅行

            九州医師会連合会について
             


 一般会員にとっては,あまり馴染みのない名称の九州医師会連合会という医師会の組織がある。日本医師会,都道府県医師会,各郡市医師会は法人化された組織である一方,九州医師会は言わば任意の団体で,同様の会は全国の各ブロックに設けられている。記録によると明治25年5月に,第1回の九州医師会医学会が熊本市で開催された。第2回は翌年長崎で,その後は毎年九州各地で開催され,宮崎県では大正6年10月に第22回医学会を初めて主管県(中元寺会長)として宮崎市で開催した。その後も毎年各地で開催され,昭和40年代からは連合会として各県順繰りに開催,沖縄県も加わり定期的に開催されている。九州・沖縄8県から役員選出(会長と事務局は主管県),会議を主催するので,8年毎に担当することになる。宮崎県最後の開催は平成24年(稲倉会長)で,次回は平成32年の予定である。今年度は6月まで大分県,7月から長崎県が主管する。毎年数回開催され,各県医師会の役員が主管県に集合して協議,情報交換を行い,各県の医事活動に結び付ける。全国的・多県に跨(またが)る医療・介護・福祉問題,日医代議員会への質問事項調整,日医役員・委員推薦,九州厚生局管内諸役員推薦,各種協議会,学術活動研究会,講演会,専門分科医会等々多岐に渡る。「役員・予算」:各県医師会員数に応じ各県医師会より拠出。実務的役員は主管県で充当。「常任委員会」:各県会長による委員会で頻繁に開催。その都度時事問題の大まかな方針につき協議し,全体協議会へ提出。「全体・各種協議会」:毎年数回,各県より希望の多い数個のテーマの下,担当理事の参加で協議。地域医療,医療保険,介護保険,救急医療等々が多い。日医委員会委員である各県役員から活動報告を受ける。日医副会長並びに担当常任理事が出席し,各セクション・議題毎に最新の考え方を盛り込んだコメントを受ける。「総会・医学会」:毎年秋に主管県にて開催。総会の議決や九州医師会決議文採択の他に,各専門分科会や記念行事等もあり,医師会員であれば全員自由参加可能。総会では日医会長により中央情勢報告を受ける。その他,「日医代議員ブロック会議等の諸会議」がある。
 現在の地域医療は,救急医療や広域災害医療に限らず,高度設備を有する他県施設受診者の移動も頻繁で,プライマリ・ケアの段階でも近隣諸県との医療・行政連携が不可欠である。その他単県では解決困難な問題も多くある。喫緊の課題として医療事故調査制度等が挙がっている。潤滑な連携を行うには,日頃から様々な機会を捉えて協議を行い,意思の疎通を図っておく必要がある。幸い,九州医師会ではその機能が比較的上手く働いており,様々な問題があればその都度提起・協議し解決策を見出してきた。九州医師会連合会の結束・連携は全国的にもゆるぎないものとして知れ渡っている。今後もこの結束・連携を維持して複数県に跨る重要な諸問題に対応していく必要がある。
                                       (平成27年6月22日)

                                      


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