健康 Q&A                      

やけどの手当て(まず冷水で処置を)

 

質問 炊事中にでんぷら油が飛んで、よくやけどをします。手近な治療法を教えてくださ                い。また、アロエの葉を知人に勧められますが、効くのでしょうか。

                              (児湯部・女性・45歳〉

 答え お湯、湯気、なべ、コンロ、アイロンなど身近な熱いもので起こすごく軽度のものを含めれば、だれでも年に一、二度はやけどを負っているものと思います。軽いやけどでも処置の仕方を間違うとばい菌がついたりして傷が深くなる恐れがあります。ですから、最初に適切な処置を受けることは大事なことです。簡単な処置なら、教えてもらって自宅ででもできますので、面倒がらずにまずは診てもらうことです。

 広いやけど深いやけどは命にかかわりますので、入院治療が必要となります。

 身の回りには、やけどの原因がたくさんあります。不注意でやけどをする場合がほとんどなので、普段から気を付けていれば起こさないはずです。他の病気以上に予防が大切です。でもいったんやけどをしてしまったら、慌てすにまず冷やすことです。水道水などで20分一30分間冷やしてください。衣類を着ていてもむりに脱がさずにすぐに冷やしましよう。そして、ビニール袋に入れた氷水などで冷やしながら、皮膚科専門医を受珍してください。初期の冷却は、確実に傷を浅くしてくれます。

 民間薬をつけて来院される方がよくおられます。アロエの葉がその代表です。葉は厚くてみずみずしくてクーリングには最適のように見えますが、成分主の針状結晶が刺激することがありますのでお勧めできません。

 やけどは物体の熱作用によって引き起こされる身体の損傷です。傷の深さは、物体の温度と作用時間によって決まります。炎でも瞬間的な接触なら傷跡は残りませんが、湯タンポのような低温物体でも一晩も接触すれば、皮膚移植術を必要とするような深い傷になってしまいます。日焼けもやけどの一種です。やけどに準じた治療を行い、時には入院も必要です。

 日焼けを繰り返していると皮膚の老化が促進されて、発癌(がん)の怒れもありますので注意してください。電気によるやけど(電撃症)は重傷です。鉄道高架と釣りざおは危険な組み合わせです。気を付けましょう。硫酸などによる化学熟傷もあります。今年の夏は虫刺されにアンモニア水(アルカリ性)をつけて自分でやけどをつくられた方が何人か来院されました。虫刺されにアンモニアは効かず危険です。ぜひ廃棄処分にしてください。(宮崎県医師会・成田博実医師)

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