おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

  平成17年3月5日放送

溶連菌感染症について

宮崎県小児科医会 市来 緑

溶連菌感染症はA群β溶血性連鎖球菌の感染によるもので、以前はしょう紅熱と言われていました。これは若草物詰のベスが罹った病気です。空気の乾燥する冬季に多く、保育園や幼稚園などで集団感染を起こしやすい疾患です。

感染は飛沫感染で起こります。

潜伏期間は12時間から4日間、発熱、咽頭痛、頭痛、嘔吐、腹痛など多彩な症状で発症します。2日後には発疹が出現します。

合併症として、中耳炎や肺炎、急性腎炎や、リウマチ熱などがあり、注意すべき疾患です。

以前は培養か、典型的な症状を診て診断していましたが、近年は外来で簡単に迅速診断キットを使って診断できるようになり、疑わしい例にも迅速に診断治療ができるようになりました。

抗生剤の内服で治療しますが、急性腎炎やリウマチ熱などの合併症を予防するために、10日間から14日間の内服を続ける必要があります。抗生剤ですぐ症状が消失するために内服を中止したり、忘れたりすることも多いので注意が必要です。