昨年9月の健保法改定は、一方的に患者負担増と医療機関の事務煩雑化をおしつける改定でありました。約半年を経過した現時点の、県内各医療機関への影響を調べるため実施したアンケート調査の結果を報告します。
A会員766名に、平成9年3月と平成10年3月の比較をお願いしました。
回答数は437名で、回答率57.0%です。
結果
外来点数、総患者数:ともに6割の医療機関で減少。平均減少率は -8%。
増加した医療機関は1割のみ。
患者の保険別で見ると、健保本人への影響がもっとも大きい。
医療機関形態別で見ると、有床診療所の落ち込みが大きい。
外来総合診療料の採用、院外処方がやや有利な傾向。
また、開設者の年令では50才を境に影響度が分かれた。
入院点数:約半数の医療機関が減少し、平均減少率はやはり -8%。
増加した医療機関は1割であるが、100〜200床の病院のみは増加率が高い。
医師会への要望:薬剤費の2重負担の廃止がもっとも多い。
その他、約半数の方が患者負担額の引き下げを求めている。
これらの要望度は、医療機関形態や年令で差がない。
自院での対策:経費節減が最も多いが、どうしようもないとのあきらめに近い
声も散見された。
形態別で見ると、病院は療養型病床への転換を考えておられる方が多く、
また設備投資をして患者増をはかるとの考えも比較的多い。
年齢別では、経費節減の考えは高齢層ほど多く、若い方ほど新たな設備投資
をして患者増をはかるとする割合が相対的に多い。
法改定から半年。患者減などの影響は数ヶ月のみですぐに回復するとの予想を裏切り、大幅な患者数減・点数減が続いている実態が明らかになりました。
この結果分析には現れていない、会員の生の声も含めて今後の医師会活動の参考にしていきたいと考えます。