医療Q&A

レイノー現象手足の血流が悪化)

質問:昨年の12月頃から手足、特に先の方が真っ白くなり、しびれて痛くなります。また指の関節が腫れ、顔や手足の皮膚が硬くて、つまめなくなってきました。近医でレイノー現象といわれました。レイノー現象について教えて下さい(宮崎市、32歳、主婦)

解答:レイノー現象とは、発作的に手足の血の流れが悪くなって、皮膚の色が蒼白または紫色(チアノーゼ)になり、痛み、冷感、しびれ感を自覚し、次いで血液の流れが回復すると、逆に充血し赤くなる現象をいいます。身体全体や手足が冷たい空気や水などにさらされたり、強い精神的緊張やストレスなどが引き金となり、手足の細い動脈の強い収縮が起こることによって生じます。

 レイノー現象には原因不明のもの(レイノー病と呼びます〉と何か他の病気があって起きる場合(レイノー症候群と呼びます)の2つに分けられます。

 後者の場合には、・動脈硬化などによって血管の内腔が狭くなる場合(器質性動脈疾患)、・振動工具、ピアノ、タイプなどの反復使用による局所の外傷、・手指などに分布する神経や血管が肩の部分で骨や筋肉などによって圧迫される場合(神経血管症候群)、・未梢神経炎などの神経障害、・薬物や重金属(鉛、砒素など)、・甲状腺や膵の腺腫などの内分泌障害、・リウマチ膠原病、・赤血球増多症や異常蛋白など血液成分の異常などによる場合があります。 

 あなたの場合には、関節炎や皮膚の腫れや硬化がみられることから、・の膠原病の中の強皮症が最も考えられます。内科や専門医等を受診し、レイノー現象の原因検査を受けて下さい。

 治療については、原因疾患がある場合にはその治療が第1です。水仕事を控えたり、お湯、手袋足袋の使用などの日常生活をして、寒冷刺激を避けて下さい。禁酒も必要です。薬物療法としては血管拡張剤の服用や塗布が効果的です。また進行すると皮膚の壊死や潰瘍を生じますので、四肢を清潔に保って下さい。〈宮崎県医師会・上田章)

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