おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第12回 3月22日放送分
緩和ケアについて
 
宮崎県医師会 理事 小玉徳信

 

 緩和ケアとは皆様には聞きなれない言葉と思います。緩和とは「きつい状態をやわらげる」ということです。「きつい」状態とは、治療の効果が無くなった末期がんやエイズで苦しんでおられる状態、肉体的痛みや精神的不安のことです。それをやわらげようとする手助けのことで、終末の医療です。ホスピスと同じと思ってください。

 ホスピスというと皆様は施設ホスピス、すなわち病院や特別な施設に末期患者を収容して専門のスタッフが終末医療を行うものと思っていらっしゃると思います。ここでは最近話題になっています在宅ホスピスについて、主にお話したいと思います。

 近所の、以前からのかかりつけのお医者さんと、顔見知りの看護婦さんやヘルパーさんたちが、チームを組んで自宅で療養している患者さんのお世話をすることです。患者さんは住みなれた自宅で家族の見守る中で、やすらかな死を迎えられるということです。かなり好評で喜ばれています。

 県医師会では、未だそのようなシステムは宮崎市郡にしかありません。宮崎市郡医師会病院を中心に周囲の先生達が連携してスタッフを作り患者さん一人ひとりに対応されておられます。まだ知らない人がおられるかもしれませんが評判が良いようですので、末期がんで困られていらっしゃるご家族の人は、一度医師会病院に相談に行かれるとよいと思います。他の地域は残念ながら、まだ組織は出来上がっておりません。宮崎市をモデルにして、各地区の医師会が中心となってそのようなシステムを作ろうと、今努力しております。もう少しお待ちください。

 以上、宮崎県医師会は末期がん患者に対する終末医療を、在宅緩和ケアシステムで対応して行こうとしております。