おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第26回 平成15年6月28日放送送
中高年女性の尿もれ
 
宮崎県泌尿器科医会 野瀬清孝 

 

・尿もれは多いの?

 尿もれがあっても誰にも相談できず、1人で悩んでいたり、病院に行かない人が多いので正確な数字はわかりませんが、尿もれ悩んでいる人の割合は40歳以上の女性では2-3人に1人と言われています。

・尿もれってどんな種類があるの?

 尿もれの原因やタイプはいろいろありますが、中高年女性で多い代表的なものをあげますと腹圧性の尿もれと切迫性の尿もれがあげられます。

・腹圧性の尿もれはってどんなの?

 腹圧性の尿もれというのは咳、くしゃみ、重いものをもったときなどおなかに力が入ったときにもれるものをいいます。

・切迫性の尿もれってどんなの?

 切迫性の尿もれというのは強い尿意が急におきてトイレに間に合わずもれてしまうものをいいます。

・治療はどんなのがあるの?

 治療は大きくわけて運動療法、薬物療法、手術療法があります。

・運動療法ってどんなの?

運動療法は尿道周囲の筋肉を鍛えて尿もれを防ぐ方法です。軽い腹圧性尿失禁の人、骨盤の筋肉が弱ってきたひとには効果があります。また、尿失禁を予防するのにも大切な運動です。尿道周囲に力を入れて尿道を締めるるという簡単な方法です。具体的な方法はhttp://www.nyoucare.jp/training/index.htmlにわかりやすくまてめてありますのでごらん下さい。

・手術ってどんな方法?大変じゃないの?

 いろいろな手術方法がありますが今一般によくされているもののひとつにTVTとういう方法があります。特殊なテープで尿道をおなかの方に釣り上げて失禁を防ぐ方法です。手術といっても小さな手術で局所麻酔ですることができ、手術時間は30分から40分です。約1cmの切開を3個所するだけで、傷はほとんど残りません。入院期間も一泊入院や病院によっては日帰りも可能です。

・自分にあった治療法を選ぶにはどうすればいいの?

 尿もれのタイプや程度によって、運動療法がよいか、薬物療法がよいか、手術療法がよいか異なります。自分の尿もれにあった治療法を知るには自分の尿もれのタイプや程度を検査してもらうことが大切です。

・最後に

 女性の尿もれについてのホームページはユニ・チャーム「尿もれケアナビ」のページhttp://www.nyoucare.jp/index.htmlを推薦します。内容も正確で大変わかりやすくまとまっています。

 尿もれが多くて外出を控えたり、着替えをもって外出したりしてませんか?ほとんどの尿もれは治りますので1人で悩まず思い切って専門医を受診することをお勧めします。