おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

第62回  平成16年3月6日放送

睡眠時無呼吸症候群

           宮崎県内科医会  長友 安弘

 

 日本人の有病率は2〜4%(男性9割)と言われている。睡眠ポリグラフで,10秒以上の無呼吸が睡眠中1時間あたり5回以上あると診断できる。途中覚醒,起床時の頭痛やだるさ,日中の眠気,息苦しさがみられ,周囲の人から睡眠中のいびきや無呼吸を指摘される。高血圧,糖尿病,高脂血症を合併する率が高く,睡眠時無呼吸症候群を放置すると心筋梗塞や脳卒中を引き起こすこともある。

 肥満,首が短く太い,舌・扁桃腺・軟口蓋の肥大,小顎症,下顎後退が発症の危険因子である

 患者は社会的にも問題となり,いねむり運転事故が健常者に比べ多く,仕事上ミスをおかしやすくなる。

 治療は体重を減らす,禁煙,節酒,横向きに寝ることが基本。鼻マスク式CPAP治療がよく行われるが,歯科装具,耳鼻科手術を行うこともある。適切な治療でいびきや日中の眠気が消失したり,血圧が低下する。健康のためには良好な睡眠が必要と言える。