おしえて!ドクター健康耳寄り相談室

  平成16年8月7日放送

鼻のはなし

宮崎県耳鼻咽喉科医会 堀之内 健一

鼻は顔の中心にあって、顔の特徴を決める大きな要因のひとつです。鼻ではまず吸った外気のホコリを鼻毛で取り除き、凹凸に富んだ構造でそれを暖め、潤いを与えてから肺に送るように働いています。あたかも空気清浄機能と加湿機能がついたエアコンのようです。 

五感の一つである嗅覚も鼻の大事な役目です。心地よさから危険の察知など、いろんな側面があります。嗅覚の細胞は人では500万個ですが、犬では1から2億個もあります。

鼻血の対処:鼻血のおよそ9割は鼻の穴の入り口から約1cm奥のところで出ています。まず鼻血がでたら、紙を詰めたりせず、小鼻を鼻の穴の隙間がないようにしっかりとつまんで約5分間圧迫することが、最も簡単で確実な止血方法です。これでもなかなか止まらない場合は、早めに最寄の耳鼻咽喉科を受診して下さい。

アレルギー性鼻炎の対処:まずは予防が大事です。医療機関で、自分のアレルギーの原因物質(アレルゲン:スギの花粉やホコリ、ダニなど)を調べ、それを取り除いたり、吸いこまないように生活することで症状を軽くすることができます。純粋な治療としてはア

レルゲンに対する過敏な反応を起こさない体をつくる減感作療法があります。そのほかいろいろな作用の飲み薬や鼻の差し薬がありますので、最寄の耳鼻咽喉科を受診されれば、鼻の中の状態を確認した上で、最もふさわしいものを処方してもらえます。最近ではレーザーを使って鼻の粘膜をアレルゲンに反応しにくい状態に変える治療法もあります。 

副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)の対処:
10年ほど前までは、お薬だけではなかなか治りきらず、手術になることが多かったのですが、最近では、新たな抗生物質を少ない量で約3ヵ月飲む治療法で、特別な場合を除き、大半がお薬だけで治るようになりました。もし手術になる場合でも、今ではほとんどが内視鏡を使って鼻の中でできるので顔も腫れません。