令和7年10月号 2040年問題
団塊の世代が高齢者となる2025年問題に続いて超高齢社会となる2040年問題が大きく取り上げられています。地域医療では一難去ってまた一難です。少子高齢化問題を始めとして多くの問題がありますが,労働力人口の減少も深刻です。支える人支えられる人のアンバランスを最大の理由として今後も頻繁に20…問題というふうに取り上げられることになるでしょう。これは医療に限らずあらゆる分野が抱える問題です。労働力人口のみならず総人口の減少も進むと予測されており,将来的には人口が半減するともいわれています。日本人が一人もいなくなるとのブラックジョークもあります。ひいては我が国のありかたそのものにまで発展する可能性があり,社会保障費の増加やインフラの老朽化など多くの問題も生じます。
中でも人口問題については多くの識者から提言があり,国も対策を講じていますが,今一度強力に取り組む必要があります。「国家百年の大計」の長期ビジョンは無理でもせめて20年,30年後の我が国の明るい将来像を示していただきたい。国のありかたは為政の結果であり,歴史が語っているように,いかなる失政によるまずい結果でも,責任を取らされるのは常に我々国民です。我々も指導者の選択を誤らないようにしたいものです。
地域医療も人口動態の影響を受けてすでに大きな問題になっています。医療従事者がいない,看護師,看護助手,事務員,厨房員などすべての確保に難渋しています。少ない人員を各業種が競って獲得に乗り出していますので,待遇改善を図ろうにも現診療報酬では好景気の他業種に太刀打ちできません。持続可能な地域医療体制を維持するために連携・集約化等々の手段を講じる必要がありますが,その前に個々の医療機関の維持が難しい状態です。
人間は誰でも歳を取ります。移民を除けば出生数を上回る人口増加はあり得ません。まずは出生数を増やすことが第一です。しかし,現世の厳しい情勢から出産を躊躇する若者がいても不思議ではありません。若者を含めた皆が住みやすい,子どもを育てやすい社会を作ることが先決です。全国知事会では人口問題に取り組む「庁」レベルの司令塔設置を国に申し入れたようです。早急に取り組むべきです。
〇〇問題として危機感を煽るのはともかく,時には国民の意識を喚起するのは必要かもしれません。国が危機として捉えているのであれば,それに見合った予算も含めて思い切った措置をしなければなりません。掛け声のみでは実効性は上がりません。
現代は思想も自由で多様性に富んでいても,あるべき社会に対する一貫した方針のないのが問題です。よい社会や国の在り方までをも,子ども時代からの教育として取り入れることが必要なのかもしれません。
令和7年10月号