令和8年6月号 医師会共同利用施設

 令和7年8月群馬県高崎市で開催された第31回全国医師会共同利用施設総会に出席しました。当日は大変暑い日で,聞いたところによれば全国的にも最高気温を記録した地域であったそうです。本総会は隔年で開催されており,令和9年の第32回総会は宮崎県が担当と決定され,次回開催県挨拶を行いました。令和9年9月11日~12日にシーガイアで開催します。
 分科会では各県・各郡市区医師会から実情についての報告がありました。いずれの報告も医師会病院をはじめとする共同利用施設は経営的にも大変厳しい状況で,現状打破の目的でさまざまな取組みがなされていました。
 地域医療の現場では病院,診療所,関連施設などのすべてが経営的に厳しい状況にあります。原因として人口減少が根底にあり患者減少,施設職員の人手不足が挙げられますが,診療報酬が基本となっている医療機関全体に余力がなくなってきたことが最大要因です。今回の診療報酬改定は10数年ぶりに少しばかりプラスになりましたが,国の永年にわたる医療費削減政策によるマイナス改定が続いていたために,30数年ぶりの3%以上アップにも関わらず,累積した二桁以上になるマイナス分の補填にはとても及びません。材料費高騰対策として,資材,薬品の共同購入などの自助努力も推し進める必要があります。人件費高騰については他の業種と違って,決められた定数を維持しなければならず,例えるならばエコノミークラス料金でファーストクラスの医療提供を義務付けられていることから人員整理は簡単にはできません。診療報酬の更なるアップを要望するしかありません。さまざまな制約はありますが,場合によっては人事の交流まで図るべきかもしれません。付属した准看護師養成所も次々に閉鎖されています。経営母体は異なりますが,医療秘書養成課程も県内ではゼロになりました。閉鎖の理由はさまざまあります。一つは応募者の減少が原因です。決して役割が終わったわけではありません。現在の待遇では医療職に魅力が感じられないのも無理はありません。地元で看護師の供給ができなくなれば,医療機関の存続にも深刻な影響を及ぼします。
 人手不足とはいっても報酬が高く条件のよい職種には応募者が押し寄せています。医療従事者の待遇を改善すれば,この問題は直ちに解決できます。小手先の対応では将来の地域医療の危機は目に見えています。今こそ本気で対応しなければ将来はありません。
 このように共同利用施設も地域医療の窮乏を反映して多くの問題を抱えていますが,宮崎での第32回総会では一歩踏み込んだテーマを取り上げてみたいと思います。

令和8年6月号